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掛西学園/ボランティア情報

2023年1月実施アンケートQuestionnaire



掛西学園では、県内で発生した送迎バスの園児置き去り事故や園児への暴力・虐待の報道を受けて掛西学園内(掛川市西中学校区)の幼稚園・保育園・こども園へ以下のアンケートを行いました。

趣旨は、各園の先生方がこれらの事件によってその働きが萎縮したり制限されてしまうことがないように、地域でどのような取り組みができるのかを探るためです。

なお、このアンケート調査の公表に先立ち、掛西学園では約三十名の協議会委員たちでアンケートを共有し、2023年2月27日に行われた掛西学園子ども育成支援協議会にてディスカッションを行いました。そのご報告も後日に掲載できればと考えております。

●アンケート内容
①施設名
②法人名
③設立年
④受け入れ年齢と人数
⑤園の方針や特徴(PR)
⑥送迎バスはありますか?
⑦園児置き去り事故を受けて改善したことがありますか?
 また以前から行っていることがありますか?
 そのほかに子供たちの安全について取り組んでいることがあったら教えてください。
⑧地域でお手伝いできることはありますか?(環境整備や子供たちの安全など)
⑨園児への暴力事件を聞いて、感じたことはありますか?
⑩より良い施設にしていくために必要なことはありますか?
⑪より良い施設にしていくために地域が協力できること協力してほしいことは何ですか?
⑫数年前(一昔前)と現在の保育で変わったと感じること(園児そのもの、保護者、地域との関わり等)
⑬⑫の中での現在の課題、また地域(学園)が関わって改善されると思われること。



●各園からの回答  ※⑥から⑬までの回答を項目毎に掲載いたします。

⑥送迎バスはありますか?

送迎バスで送迎を行っている幼・保・こども園は8園中2園

⑦園児置き去り事故を受けて改善したことがありますか?
 
また以前から行っていることがありますか?
 そのほかに子供たちの安全について取り組んでいることがあったら教えてください。
事件を受けて、静岡県行政が県内すべての通園バス使用園に対する監査を行ないましたが、特に指摘されたことはありません。今般の事件については、教職員の連絡不手際が言われているので、当園でも教職員間のコミュニケーションを密に取るように心がけています。
事故については他人事とは受け止めていません。どこの園でも起こりうる事故だと認識しています。ここ数年の間にICT化が進み、当園でもタブレットやパソコンを入れ、ICT化を進めてきていました。しかし、どんなに進んでも、最終的には「人の目」が必要だと思っています。毎月実施している避難訓練でも、担任以外の職員が「今いる子ども達」を完全に把握できるよう、園児名簿を常時クラスに置き、登降園したらその時刻を記入するようにしています。子ども達を移動させるときは名簿も一緒に持参し、「いつどこでも」子ども達を把握できるようにしています。また、活動が変わる時、例えば保育室を移動させる時や園庭、園外へ散歩に出る時などは特に留意し、何度か子どもたちの人数把握をするようにしています。
園外保育にバスを使用します。園外保育許可簿・名簿への記入。バスの乗降時には、人数確認は指さしで、複数名で声に出して行います。日常の中での人数確認は、登降園時や生活の節目、食事・朝夕おやつの時間、お昼寝の際などで、呼名や声出し確認をして、把握しています。早番・遅番は、人数記入表を使用しています。
バスの利用はないが、園外活動に、より注意を払うようになった。お散歩日誌をつけ始めた。
置き去り事故を受けて改善したことは特にありませんが、散歩先での人数把握、所在の確認、園内活動での切り替え時の人数確認、バス乗降時の確認等を徹底しています。必ず複数の職員で確認をしています。
バス利用園児の確認ツールと手順の見直し、職員指導を行いました。また、バスだけではなく日中の活動時の安全確認についても園全体で周知しました。
これまで取り組んできた安全対策を改めて職員間で再確認を行いました。タブレットとホワイトボードを使った園児の二重チェック等。
登降園確認のアプリ使用と併用し、各クラスで登降園時間を紙に記録している。欠席の確認が取れない場合は、保護者に電話で確認 している。保育活動中は、定期的に園児確認をしている

⑧地域でお手伝いできることはありますか?(環境整備や子供たちの安全など)
見守って頂けたら幸いに存じます。
以前に5歳児が一人で黙って自宅に帰ってしまったことがありました。幸い、事故やケガはありませんでしたが、肝を冷やした事件でした。就学前の子どもが一人で道路を歩くことは危険ですので、もしそのような姿を見かけましたら、ご一報いただけると嬉しいです。
交通安全教室・環境整備等。
常にコミュニケーションを図ることです。人との信頼関係を築くためにも多くのことを話し合い、よりよい環境を作っていきたいと思います。
地域の方の見守りの眼は必要だと感じます。具体的にどのようなことを連携して取り組んでいけるのかを話し合えるとよいです。
園の前の道路で速度の速い車が多いことが気になります。実際に事故も起きているため道路を使用する方には速度など意識して頂けると嬉しいです。
園周辺の草刈り。

⑨園児への暴力事件を聞いて、感じたことはありますか?
園バス置き去り事件と関連しますが、先生同士の連絡をはじめ、例え新人でもモノが言える環境を普段から作っておかないと、こういう事件が起こった際の初動が遅れるのだと思います。当園では朝礼・夕礼等を密に行って、なるべく全教職員が発信・発言出来る環境を作っているつもりですが、まだ不十分な点もあるので、コロナ禍の様子を見ながら考えていきたいと思っています。
保育者は「子どもが好き」で就いている人たちなので、虐待をすることは考えにくいと思っていました。しかし、職員からの聞き取り調査をしてみると、「余裕がなくなる」時にイライラして、子どもにぶつけてしまうことは可能性としてはあるのでは?という意見が出ました。また、最近は情緒障害のお子さんも多く、その子たちは暴れたり暴言を吐いたりするので、対応に苦慮しています。そのような子たちも含めて自分たちの保育を振り返る良い機会をいただいたと思っています。
率直に事件になるまでの段階で何か対応ができなかったのかと感じました。不適切な言動があった時にお互いに声を掛け合える職員集団ではなかったのだと思いました。
保育士としてではなく人間としてあってはならないこと。当たり前のことを当たり前に出来る環境作りを整えていかなければならない。
職員の働く環境について考えました。専門職として志をもっていると思うが多様な価値観に流されてしまう現状をどう解決していけばよいか。
報道の内容にはショックを受けましたが環境によってはあり得ないことではないとも感じます。配置基準の見直しなど環境整備が必要。
子どもの人権を無視している行為で、保育士として許しがたいことである。驚きと怒り。園内の保育体制がどうだったのか、疑問である。

⑩より良い施設にしていくために必要なことはありますか?
昨今、「保護者に都合の良い園」に園児が集まる傾向があるように感じておりますが、乳幼児施設において一番大事なことは、大人の都合そのものよりも子ども達の成長であり、当園では創立からそれを中心にすべての物事を考察・決定して実践しています。そういう園の理念方針を多くの方にご理解いただき、保護者と共に大事なお子さんを育てる園でありたいと願っています。
保育者同士、保育者と保護者の関係性の良さが虐待防止につながると思います。特に職員間では様々な情報や出来事の共有に努めていますし、それが「より良い施設」になるための最重要課題だと思います。また、保護者や地域に開かれた園、第三者の目がいつも入れるような園であれば、虐待は起こらないと思います。当園も保護者の参加会を常時行い、いつも外部の目が入るよう努めております。
たくさんありますが、職員がお互いの良さを認め合う関係であり、コミュニケーションが取れていることが一番大切だと思います。
情報共有 風通しのよい職場
常にコミュニケーションを図ることです。人との信頼関係を築くためにも多くのことを話し合い、よりよい環境を作っていきたいと思います。
開かれた園作りがすべてだと思います。
一人一人の意識と園児、保護者職員にとって良い環境。
不適切な保育があった、聞いた場合、それがおかしいと言える、職員関係、職場作り、園の体制作り。

⑪より良い施設にしていくために地域が協力できること協力してほしいことは何ですか?
園の教育理念・方針をご理解いただき、それをさらに多くの方に広めて頂くことでしょうか。
コーディネーターさんがまめに「御用聞き」をしてくださり、とても感謝しています。職員だけではなかなかできないことも、地域の皆様のご協力でやっていただいています。この関係性を大切にしたいと思います。
平日に災害が発生したときには、お互いに協力できればと思います。
今まで通り、読み聞かせや、園整備のボランティアに来ていただければ大変助かります。
常に地域の方に保育園の雰囲気を見ていただくために、朝のあいさつ運動等で関わり合い、定期的に園に目を向けていただけたら嬉しく思います。
この内容について話し合いたいです。
引き続きボランティア等でご協力頂けたらと思います。

⑫数年前(一昔前)と現在の保育で変わったと感じること(園児そのもの、保護者、地域との関わり等)
子ども数が圧倒的に少なくなりました。共働き家庭が増えたためか、集団教育に馴染まず(家庭内での愛着形成が未熟のまま)に入園するケースが多くなりました。いわゆる「手のかかる子」の割合が増加して、より多くの教職員数が必要になってしまいました。(教職員能力の質低下も同時に進んでいるような気がします)。車社会が進行したことで、地域間交流が以前と比べて減った気がします。
今は何事においても衛生管理が厳しくなりました。特にコロナ禍においては、外部からのウイルスを遮断するよう、私たちも極力努力してまいりました。0歳を預かる保育園では特に様々な面で、学校以上に気を遣っているところです。子どもたちの行動面でも制約が増えてきたので、以前経験できたことも今はできないというもどかしさを感じます。きっとご家庭でもいろいろな制約があることが想像できます。また、スマホやタブレットの影響も感じています。当園では地域の保育士会の指定を受けて令和2~3年度にかけて研究をし、この1月末に静岡県保育研究大会で発表しますが、「子どもたちの語彙力の低下」をひしひしと感じています。「目を見て会話する」ことの重要性を認識しているものの、実生活ではやはりスマホやタブレットに頼り、「スキンシップ」や「生のコミュニケーション」が足りていないことがわかりました。おもりをスマホにさせず、大変でも子どもと直接関わるような努力をしていただきたいと願っています。
園児は変わりませんが、保護者の家庭環境や子育ての価値観・育児方法等は、多様化していると思います。地域との関係は、コロナ禍で関係づくりが一時的に止まっている状況ですが、今後は、工夫すれば徐々につながりが持てるようになるかと思います。
現在の保育園利用は、仕事が理由ではなく、家庭では子育てが難しい為、保育園を利用する保護者が増えているように思う。小規模園には、保護者が求職中の状況で入園できる状況。働きたいから園を探すのではなく、園に入りたいから職を探す状況になっている。その為保護者支援が以前に増し必要。
子どもに対しては体力がなく落ち着きのない子など気になる子が増えました。また朝から晩まで長時間の保育を必要とする家庭が増え、保護者の仕事により土曜日や祝日等の保育を利用する子も多いです。子育てに悩む保護者やどうやって子どもと接したらよいか、わからない保護者も増えたように思います。地域とはこのコロナ感染症によっていろいろな事が中止され、また地域とのつながりを新たに作り直さないという現状がある。
援助の必要な園児が多くなっている。
保護者との子育て観の相違を感じる。

⑬⑫の中での現在の課題、また地域(学園)が関わって改善されると思われること。
過去60年以上と同様にお付き合いを頂けたら幸いです。地域に『くるみ幼稚園』が存在して、幼児集団教育を頑張って営んでいることを地域の多くの皆さんが知って下さり、教育への想いや情熱をご理解いただけるだけで十分です。
「ノーメディアデイ」はとても意味があると思います。また、挨拶運動も「声と声を交わす」意味で小さいころからできるとても大切なことです。今後も続けていっていただきたいと思います。
地域ボランティアの方との交流が限られている。子どもたちにとって、世代間交流の機会があることは、経験として将来に活かされ、地域で見守られていると感じられる機会だと思います。
地域とのつながりを密にしていき常に情報の共有と地域全体で子育てをサポートしていくという協力体制が重要と考えます。そのため、子育てで悩む保護者が気軽に参加しやすい講演会や催しを地域の方と協力して開催することや小・中学校や近隣の園との交流を含めていきたいと思います。
おじいちゃんおばあちゃん、地域資源に触れ交流することで地域にとっても園児にとっても相乗効果を図れると感じます。(現在も行ってくれていますが)
「保育士を加配できる環境が必要です。